さて、増毛用の人工毛を4000本一度に付けることになったのですが、さすがにヅラ屋スタッフも経験がないらしく、長時間かかっておりました。耳のところから、つけまつげの長いものと想像していただいたら解りやすいのですが、70〜80センチぐらいのつけまつげ状になったものを頭に貼り付けて行きます。
一本のつけまつげ状のものに何本の人工毛が付いていたか定かではないですが、順番に左サイドから接着していきます。
そして、挿絵の状態、、つまりマジンガーZの阿修羅男爵状態になった時に、ヅラ屋の散髪スタッフが突然言い放ちました。
「あの、増毛の髪の毛が無くなったんですけど」
自分「どういう事!4000本満遍なく全体につけなあかんやろ」
「でも、無くなったんです」
すると、奥から店長が11万のローンの紙を持ってやってきました。
自分「お前らこんな商売やって大きなってきたんかい!ゆるさんぞ、このままで消費者センターや県庁や警察に行ってやる。いや、そこのNHKに飛び込んでやるなめんなよ」
そう言って散髪の前掛けを放り投げて、エレベーターに走り1階へ向かった。
一階で扉が開くと、何処にそんな人数がいたのか白衣姿の三人のおっさんが扉の前ではあはあ言いながら待っていた。
「お願いですから○○様、もう一度上がってください。この件は善処しますから」と言いやがる。
結果は11万の追加料金は無しで髪の毛を付けることになった。
本当はヅラ自体やめたかったのだが、まだ若かった当時の自分にはそこまでの交渉能力が無かった。
こんなことがあったので、ヅラ話その2に書いたように、ヅラが完成しても行きつけの散髪屋に行くようになりましたとさ。
めでたしめでたし。 「あんころもち喰いて〜」by市原悦子


